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結局「人は人の温もりに救われる」~身内介護4人目・高齢者介護アロマケア実践より~

私事ですが、昨日は母の誕生日でした。

昔から、身体が丈夫とは言い難かった母ですが、こうして7回目の年女を迎えることができたのは、やはり何かの力が働いて生かされているんだなぁと感じる今日この頃。

 

わたしの結婚後の人生は「身内介護」と共にあります。

改めて、わたしの身内介護とアロマ&タッチケアの関りについて振返ってみたいと思います。

介護の知識もアロマの知識もなかった舅介護時代

結婚後、上の子どもが生まれて1年と少し経った頃。

舅の大腸がんが判明。

既にかなり進行しており、高齢ということもあり癌を取り除くというより、ストマ(人工肛門)を造設し、QOL(生活の質)を優先することになりました。

 

介護保険制度もなく、私自身も介護やアロマの知識もなかった頃。

主介護者は姑でした。

わたしは

  • 入院中の舅を見舞うために毎日病院へ行く姑の送迎
  • 忙しい姑の食事サポート
  • 在宅介護時のオムツ交換補助
  • 在宅医療を受けるようになってからは、主治医の送迎

など主に後方支援的な役割を担いました。

 

ある時、衰弱した舅が入浴中、浴槽から出られなくなる事態が発生。

痩せたとはいえ、男性を浴槽から引き上げることは腰が抜けるかと思うほど大変でした。

この時に「今後家族の介護を担っていくことになった時に、知識がないと大変なことになる」

と介護職を志します。

 

介護職だった頃の父介護時代~アロマ&タッチケアの生かし方~

舅の死去後、介護職に。

仕事は性に合っていたようで、登録ヘルパーからスタートしたお仕事も介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネ)まで取得。

父の介護が始まる頃には、姑も軽度認知症に。

母は以前からの持病の状態が一進一退。

 

元々は、母をサポートしていた父が突然の介護状態に。

舅の時より、介護職だったこともあり入院から介護保険利用までの動きはスムーズでした。

医療関係者の話を聞いたり、関係づくりにも介護職経験は大いに役立ちました。

 

そして、介護職時代に出会ったアロマテラピー。

「これ、もしかしたら介護(仕事)に生かせるかも!」

と学びだしたアロマテラピーを父の介護に生かしたい!

と意気込みました。

そして、父へアロマフットケア。

ところが…

父は優しいフットケアより、ゴリゴリの肩を強く指圧して欲しそうだった。

更には、呼吸器疾患で換気障害があり、医療職から習った「呼吸介助」をして欲しがった。

*実際には、なかなか上手に出来ずに本人をイライラさせることもしばしばだったけれど

 

なので、フットケアはほどほどに。

ここでのアロマ活用は

  • 介護者としてのわたし自身のセルフメンテナンス
  • 病室にアロマの香りを漂わせ、消臭及び介護・医療職の方に喜んでもらう

という活用法となった。

結果的には

出入りする介護・医療職の方々が

「良い香りがするから、部屋に来るのが楽しみ」

と言ってもらえ、これはこれで充分だったのではないか、と思っています。

 

ただこの時期「トリプル介護状態」となり、物理的に仕事をしている時間がなくなり、介護職はリタイアしました。

 

濃密で長かった姑介護時代~アロマ&タッチケアで信頼関係を築く~

父の死後、姑と母のダブル介護時代。

姑との関りは4人の高齢者の中で最も長く、がっつりサポートが必要になってからは10年ほど。

わたしの結婚生活のほとんどは、姑との関りで成っている。

仕事が忙しく、単身赴任がちだった夫より長く時間を共にした人。

 

気丈夫な大正生まれの姑には、なかなか気軽に触れることが出来ず、触れるケアのタイミングをはかりました。

「背中の乾燥ケア」のためにアロマを用いることで、触れるケアがスタート。

背中の保湿ケアにとどまらず、最終的にはハンドケアもさせてもらえるように。

「ええにおいするなぁ、こんなことしてもらえるの、わたしだけやなぁ」

と嬉しそうに、少し得意げな表情でハンドケアを受けてくれました。

 

冬の寒い日に、ハンドケアをしようとして触れた時

「アンタの手、冷たいなぁ。わたしが温めあげよ」

と言って、小さな手でわたしの手を包んでくれたことが忘れられない嬉しい思い出です。

福祉の現場(高齢者福祉、障がい者福祉)や職場、地域において、アロマ&タッチケアを実践するために必要な 基本的な知識を学びます。 アロマテラピーの基礎知識や基本的な体のしくみ、タッチケアが心身に及ぼす作用を学んだ上で、ケア現場で 役立つハンド、及びフットケアのトリートメント技術を習得します。

アロマとタッチケアが

わたしと姑との信頼関係を強固にしてくれた

と確信しています。

 

姑に触れるケアをしていなければ、ここまでの関係性に辿り着けなかったかもしれません。

 

この頃、福祉アロマ資格を取得し、訪問アロマケアに力を入れていました。

実母が2度に渡る手術をした時にも、術後ケアにハンドケアやフットケアを実践しました。

 

母の介護にアロマ&タッチケアを生かす~明日も介護を続けていく力になる~

姑と母のダブルサポートを約6~7年。

姑亡き後、現在に至るまで母のサポートに携わっています。

 

実の関係ならではの難しさを感じる事、多々あり。

触れるケアをしてあげたい!

でも、今の空気感では気が進まない。

そう感じることも沢山ありましたし、今でもそうです。

幸い、母は触れるケアが好きな人なので

外部ケアも利用しています。

 

娘であるわたしが触れることが難しい、と感じる時

「他人だからこそ出来るケアがある」

と思っています。

 

そういう意味では

家族がケア出来るから、それで充分

というのではなく

家族のケアと職業福祉アロマセラピストが要介護者を両輪でサポートできると、なお良いです。

 

実際に、わたし自身も訪問アロマケアの中で

ご家族様にはなかなか向けないであろう

  • 朗らかな笑顔
  • 感謝の言葉
  • 豊かな社会性

に沢山接してきました。

 

身内が触れる定期的なケアは

  • 本人の身体の状況の変化に気付きやすくなる
  • 外部ケアより接触頻度が高いため細やかなケアがしやすい

の他に

 

言葉では伝えることが難しい、相手を大切に思ったり感謝の気持ちを手からの温もりで伝えることができる

というところが大きいと感じています。

 

最近再開した母の定期的フットケアでは

  • 表情が緩む
  • 食欲が進む
  • 冷えが緩和する
  • 痛みが緩和する
  • 自律神経バランスが整い、心身が安定する
  • 感謝を口に出す

など様々な素晴らしい変化が!

そして

触れてもらう側だけでなく、触れる側も

癒される、救われる、また介護を続けていこう

という気持ちになれる、という点で

winwinなのが

身内がするアロマ&タッチケアの最大の恩恵

です。

心地良く触れるは人の原始感覚に働きかけ、安心と意欲をもたらす

高齢の親御さんをお持ちのご家族。

様々な心身の機能低下が見られた時

医療や介護保険を利用することは、必須です。

 

ただ、そこに既に安心できる関係性のご家族様からの

「優しく触れる」

があれば、鬼に金棒。

 

医学の父・ヒポクラテスは

「まず患者に触れなさい」

と言いました。

これが「手当て」の語源です。

信頼できる身近な大切な人に触れること

触れる側も触れられる側も

人生がより豊かになると確信しています。

 

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